トラスの最適設計


座屈荷重係数を制約条件として、トラス構造物を最適化する。 次のような球形シェル状トラスを考える。

132部材トラスの立面図
132部材トラスの平面図
132部材球形シェル状トラス

正の座屈荷重係数がある最小制限値以上である、という制約を設ける。 断面積を設計変数として、構造物の総部材体積を最小になるような断面積を求め る。 中央の1節点のみに鉛直荷重を作用させた場合、最適解は次のように得られる。

単載シェルの最適解
最適解(単載)

本最適化問題は、断面積の関数として定められる実対称行列が半正定値であると いう制約の下で、総部材体積を最小化する問題に帰着できる。 さらにこの問題をSDPとして逐次近似し、繰り返しSDPを解くことで最適解 を簡単に求めることができる。
この最適解では、座屈モードは???個重複している。

次に、全ての節点に等しい大きさの鉛直荷重を作用させた場合、最適解は次のよ うに得られる。

全載シェルの最適解
最適解(全載)

この最適解では、???つの座屈モードが重複している。
このように多くの座屈荷重係数が重複する場合にも、提案手法では困難なく解を 得ることが出来る。



関連論文
  1. 寒野 善博, 大崎 純, 藤澤 克樹, 加藤直樹 :
    半正定値計画法を用いた指定座屈荷重係数を有するトラスの トポロジー最適化,
    日本建築学会構造系論文集, No.541, pp.113-119, 2001.

  2. AISRR

(2001.8.10)

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