座屈荷重係数を制約条件として、トラス構造物を最適化する。
ここでは、次のような塔状平面トラスを考える。
![]() 塔状平面トラス Λをパラメータとして比例載荷する。 トラスが座屈するときのΛの値は座屈荷重係数と呼ばれる。 いま、正の座屈荷重係数がある最小制限値以上である、という制約を設ける。 断面積を設計変数として、構造物の総部材体積を最小になるような断面積を求め る。この問題の解は次のようになる。
![]() 最適解 本最適化問題は、断面積の関数として定められる実対称行列が半正定値であると いう制約の下で、総部材体積を最小化する問題に帰着できる。 さらにこの問題をSDPとして逐次近似し、繰り返しSDPを解くことで最適解 を簡単に求めることができる。 得られた最適解の座屈モードと、指定荷重による変形状態を示す。
![]() ![]() 最適解 この問題では、座屈荷重係数は重複しない。
得られた最適解の非線形座屈荷重係数は、指定値にほぼ等しい。
従って、このような塔状トラスの場合には座屈前変形の影響は小さく、線形座屈
荷重の定式化で実用的には十分であることが分かる。
(2001.8.10) |