トラスの最適設計


固有1次振動数を制約条件として、トラス構造物を最適化する。 次のような正方形平面トラスを考える。

5×5正方形平面トラス
5×5正方形平面トラス


固有振動数が最小制限値以上である、という制約を設ける。 断面積を設計変数として、構造物の総部材体積を最小になるような断面積を求め る。 右上の1節点のみに集中質量(非構造質量)が存在する場合、最適解は次のよう に得られる。

正方形平面トラスの最適解
正方形平面トラスの最適トポロジー


本最適化問題は、SDP問題に帰着することができる。 そこで、SDPに対する有効な解法である、主双対内点法を用いることで、 最適トポロジーを困難なく求めることができる。
この最適解では、2つの固有モードが重複している。

次に、アーチ状の平面トラスを考える。 非構造質量は、最下層の全ての節点に存在する。

アーチ状平面トラス
55節点アーチ状平面トラス


このとき、次のような最適解が得られる。 最適解における1次固有値の重複度は2である。 これらは、それぞれ対称モードと逆対称モードに対応している。

アーチ状平面トラスの最適解
55節点アーチ状平面トラスの最適トポロジー


最後に、次のような立体トラスの最適トポロジーを求めてみる。

2層平板状立体トラス
2層平板状立体トラス


最適トポロジーは次のようになる。

全載シェルの最適解
2層平板状立体トラスの最適トポロジー


この最適解では、5つの固有モードが重複している。
このように多くの1次固有値が重複する場合にも、提案手法では困難なく解を 得ることが出来る。



関連論文
  1. M. Ohsaki, K. Fujisawa, N. Katoh and Y. Kanno:
    Semi-definite programming for topology optimization of trusses under multiple eigenvalue constraints,
    Comp. Meth. Appl. Mech. Engng., Vol. 80, pp. 203-217, 1999.

  2. Y. Kanno and M. Ohsaki:
    Necessary and sufficient conditions for global optimality of eigenvalue optimization problems,
    Struct. Multidisc. Optim., to appear.

(2001.8.10)

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