研究概要

力学と最適化の接点にあるもの


非滑力学と最適化

非滑力学 (nonsmooth mechanics) は,接触や摩擦,弾塑性,亀裂など,場合わけを有する力学現象を,近似や試行錯誤に頼ることなく解析する強力な方法論です.双対性などの美しい理論と効率や精度のよい数値手法(アルゴリズム)とを両輪とし,最適化とも密接に関係する力学です.

負のポアソン比・負の熱膨張率をもつ構造の設計法

多くの物質はポアソン比も熱膨張率も正ですが,特殊な形状の構造を設計することにより,構造物全体のポアソン比や熱膨張率を負にすることができます (Wikipediaの関連記事).最適化手法を用いることで,非日常的な振る舞いをする構造物を容易に設計できます.

テンセグリティの設計法

テンセグリティ(Wikipediaの関連記事日本語版)とよばれる,特殊な張力構造を設計する数理手法の研究です.テンセグリティは,芸術や大スパン構造物(ドームの屋根など),展開構造物(宇宙構造物など),生物学(筋骨格系や細胞のモデル)などの広い応用をもつと考えられています.

断層近傍の地震動を受ける弾塑性構造物のロバスト性評価

断層近傍の地震動はいくつかの衝撃波として表現することができ,クリティカル外乱に対する弾塑性構造物の応答を陽に表現する研究が進められています.それを用いて,外乱や構造パラメーターの不確かさに対する構造物のロバスト性を定量的に評価することが可能になりました.

構造物の冗長性を高める最適設計法

冗長性は,実世界の構造物の設計において重要な概念の一つです.冗長性・ロバスト性を高めることは,構造物のレジリエンスを高めることにもつながります.

構造最適化・ロバスト最適化・ロバスト性評価

さまざまな最適化手法を活用することで,構造物の設計プロセスそのものを論理化・合理化します.また,実世界の構造物は,外乱や経年劣化・施工時のばらつきなどの不確実な要因をもつため,不確実性に対してロバストな設計を見出す数理手法も重要です.

制振構造の最適設計

制振構造において,その制振効果が最も有効に発揮されれるような設計を見出す手法を開発する研究です.


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